頭痛・頭部の痛み
頭痛の原因には、内科系の病気がもっとも多いですが、脳や神経の病気はいうまでもなく、目・鼻・耳・口やあごの病気、婦人病などでも起こります。
急性の頭痛でもっとも多いのは、ウイルス感染によるかぜです。インフルエンザでは、高熱とともに筋肉・関節痛が生じます。脳炎、髄膜炎では、高熱とともに意識障害がみられます。そのほかの発熱疾患も、しばしば頭痛を伴います。
脳の血管に急激な変化、たとえばくも膜下出血や脳出血が起こると、頭全体の激しい頭痛が生じ、意識を失うこともあります。片頭痛も、頭蓋(ずがい)内の片側の血管ないし神経の異常によって生じると考えられています。
肩こりと同様に、くびから後頭部にかけて、こりと痛みの起こる緊張型頭痛があり、しばしばみられます。脳梗塞や低血圧などでも、軽い頭痛を感じることがあります。う歯(むし歯)のときにも頭痛を伴うことがあります。
三叉(さんさ)神経痛では、突然に刺すような痛みが顔面の片側に起こります。三叉神経の帯状疱疹(たいじょうほうしん)では、片側のひたい、眼や口のまわりに痛みが生じ、数日して水疱(すいほう:水ぶくれ)を伴う発疹があらわれます。緑内障や副鼻腔炎(ふくびくうえん:蓄膿症〈ちくのうしょう〉)では、前頭部から目・鼻の奥に痛みを感じます。中耳炎では側頭部や、耳のまわりが痛みます。
(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院 総合診療部 部長 細田 徹)
急性の頭痛でもっとも多いのは、ウイルス感染によるかぜです。インフルエンザでは、高熱とともに筋肉・関節痛が生じます。脳炎、髄膜炎では、高熱とともに意識障害がみられます。そのほかの発熱疾患も、しばしば頭痛を伴います。
脳の血管に急激な変化、たとえばくも膜下出血や脳出血が起こると、頭全体の激しい頭痛が生じ、意識を失うこともあります。片頭痛も、頭蓋(ずがい)内の片側の血管ないし神経の異常によって生じると考えられています。
肩こりと同様に、くびから後頭部にかけて、こりと痛みの起こる緊張型頭痛があり、しばしばみられます。脳梗塞や低血圧などでも、軽い頭痛を感じることがあります。う歯(むし歯)のときにも頭痛を伴うことがあります。
三叉(さんさ)神経痛では、突然に刺すような痛みが顔面の片側に起こります。三叉神経の帯状疱疹(たいじょうほうしん)では、片側のひたい、眼や口のまわりに痛みが生じ、数日して水疱(すいほう:水ぶくれ)を伴う発疹があらわれます。緑内障や副鼻腔炎(ふくびくうえん:蓄膿症〈ちくのうしょう〉)では、前頭部から目・鼻の奥に痛みを感じます。中耳炎では側頭部や、耳のまわりが痛みます。
症状 | 病名 | そのほかの症状など |
---|---|---|
発熱を伴う | 感冒(かぜ症候群) | だるい、くしゃみ、鼻汁、のどの痛み、せき・たん、吐き気、腹痛 |
インフルエンザ | だるい、関節痛、鼻汁、せき・たん | |
脳炎 | 意識障害、吐き気・嘔吐 | |
髄膜炎 | 嘔吐、意識障害・失神、吐き気 | |
巨細胞性動脈炎 | 片側性拍動性、側頭動脈の圧痛、視力障害 | |
急な激しい頭痛 | くも膜下出血 | 意識障害、けいれん、吐き気・嘔吐、くびのうしろがかたくなる(項部硬直) |
脳出血 | めまい、意識障害・失神、高血圧、吐き気、顔面や手足のまひ | |
片頭痛 | 片側、拍動性 | |
群発頭痛 | 片側、拍動性、深夜に目をえぐられるような激痛 | |
緑内障 | 眼痛、視力障害、吐き気 | |
緩徐な頭痛 | 緊張型頭痛 | 肩こり、慢性的な頭痛 |
脳梗塞 | 意識障害・失神、嚥下困難、感覚障害、めまい、片側の顔面や手足のまひ | |
脳腫瘍 | 耳鳴り、吐き気・嘔吐、片まひ、しびれ、けいれん | |
低血圧症 | 眠け、だるい、めまい、意識障害・失神 | |
齲歯(う歯) | 冷たい物でしみる、歯が痛む | |
顔面の痛み | 三叉神経痛 | 片側の顔面の痛み |
帯状疱疹 | 片側に水疱を伴う発疹、胸背部の痛み | |
慢性副鼻腔炎 | 鼻の奥の痛み、膿性鼻汁、鼻づまり |
(執筆・監修:公益財団法人 榊原記念財団附属 榊原記念病院 総合診療部 部長 細田 徹)