菅谷啓之 医師 (すがやひろゆき)

船橋整形外科病院

千葉県船橋市飯山満町1-833

  • スポーツ医学・関節センター
  • センター長

整形外科 外科

専門

肩関節・肘関節疾患、関節鏡視下手術

菅谷啓之

腱板断裂など、関節の痛みに対する関節鏡視下手術の名手。肩および肘関節に対して、関節鏡を用いた低侵襲手術による専門的医療を提供してきた。グループで年間900件以上もの肩および肘の関節鏡手術および肩の人工関節手術を手がける実績をもつ。肩・肘関節痛を訴える一般患者のほか、スポーツ選手からの信頼も厚く、メディア等でスーパードクターとして取り上げられる機会も多い。外来患者数は非常に多く、その比率は肩関節が約85%、肘関節が約15%。 手術比率も9対1で、疾患の性質上肩関節が大半を占める。

診療内容

文字通り、ある一定の年齢を過ぎた人の多くは「五十肩」に悩むという。この五十肩と症状が類似し、整形外科で五十肩と診断されることも多いのが「腱板断裂」である。腱板断裂は、肩甲骨と上腕骨をつなぐ腱板(板状の腱)が切れた状態を指す。五十肩同様50歳以降に好発し、転倒時に手や肘をついたり、重い物を持ち上げた時に傷めるなど、外傷がきかっけで起こるケースが多い。夜間痛、動作時痛(特に腕を上げる・下ろす時に痛い、肘を脇から離しての動作が困難)などが主な症状である。腱板が切れていても時間が経過すれば治まることもあり、注射や理学療法などの効果も期待できるが、活動量の多い人で3ヶ月以上が続く場合は手術適応となる可能性が高い。
菅谷医師がセンター長を務める同センターでは、本疾患に対して保存療法と厳密な診察を経て手術が検討されるが、手術適応となる場合は原則すべての患者に「関節鏡視下手術」を行っている。関節鏡視下手術とは、切開せずに小さな創を数箇所つくって実施するもの。この手術において、名医と名高いのが菅谷医師である。関節鏡を使用しない従来の手術では大きな切り口を必要とするため入院期間も長かったが、関節鏡視下手術は安全性が高く、高度な手術を鏡視下で行うことが可能である。入院も短期で済むため患者への負担も少ない。従来の手術と比較すると、感染症を起こしにくい、正常組織を傷つけにくい、術後の傷跡が小さいといったメリットがあるという。一方、近年は、重度の変形性関節症で肩痛や機能障害に悩む高齢者に対して、人工肩関節全置換術も積極的に行っている。特に、従来まで日本で使用できなかったリバース型人工肩関節が2014年4月より解禁となった。これは、上述の腱板が修復できないほどに大きく断裂して長期間経過し、変形性肩関節症となり腕が上がらないか力が入らいない場合に用いられる手術であり、術後疼痛が少なくリハビリも容易で高齢者にとっては大きな治療効果が期待できる。
肩関節・肘関節センターは、関節鏡を用いた低侵襲手術による専門的医療を提供することを目的として設立されたスポーツ医学センターより、2013年4月に、関節鏡手術だけでなく肩肘疾患全般の診療を専門的に行うセンターとして独立した。当センターでは、肩関節疾患(反復性肩関節脱臼、腱板断裂、肩関節拘縮、投球障害肩、インピンジメント症候群、肩鎖関節脱臼、変形性肩関節症など)、肘関節疾患(野球肘、肘関節内遊離体(関節ねずみ)、変形性肘関節症、投球障害肘)などが主な対象疾患である。肩関節や肘関節の痛みを全身の機能と絡めて治療するため、理学療法士等とのチーム医療が充実している点も特徴である。そのため、肩・肘関節に障害のある一般患者の他、国内外のトップアスリートも多数診療に訪れるという。例えば反復性肩関節脱臼(スポーツ外傷などをきっかけに肩関節の脱臼が起こり、ちょっとした外傷でも肩が外れる癖がついてしまう状態)に関していえば、菅谷医師は1999年より関節鏡視下手術(スーチャーアンカー法)を3,000例以上行ってきた。2005年以降、同センターでの術後再脱臼率は約2~3%で、スポーツ復帰率はほぼ95%以上であるという。「術後再脱臼0%・スポーツ復帰率100%」という究極のゴールを目指して診療にあたるスーパードクターとして名高い訳だ。
「整形外科の知識一つとっても、10年前と今ではまったく違っていることも少なくありません。私たち専門医がさまざまな機会の中で最新の知見や情報を発信し続け、啓発活動を推進することが大切だと考えます」。術式の改良や治療器具の進歩を重ねる菅谷医師に対し、一般患者もケガに悩むアスリートも、大きな信頼を寄せている。

医師プロフィール

1987年3月 千葉大学医学部卒業
1987年4月 千葉大学医学部整形外科入局
1996年 学位取得、米国留学(フロリダ州ウエストパームビーチ、オルソペディック・リサーチ・ラボにて、スポーツバイオメカニクスの研究)
1997年 川崎製鉄健康保険組合千葉病院(現JFE川鉄千葉病院)整形外科部長
2002年4月 船橋整形外科病院スポーツ医学センター部長
2008年7月 東京女子医科大学整形外科教室非常勤講師(現職)
2011年12月 米国ハワイ大学医学部解剖学教室客員教授(現職)
2013年4月 船橋整形外科病院 肩関節肘関節センター長(現職)

「スポーツ整形外科」を専門とする医師