安田和則 医師 (やすだかずのり)

北海道大学病院

北海道札幌市北区北十四条西5丁目

  • スポーツ医学診療科
  • 教授

整形外科 外科

専門

膝関節外科、スポーツ医学、変形性膝関節症

安田和則

日本を代表する膝関節の専門医。数々の治療実績は国際的にも注目されている。前十字靱帯損傷に対する解剖学的二重束再建術を世界で最初に確立。安田和則医師は世界各国でこの技術指導にあたっている。後十字靱帯損傷や複合靱帯損傷などの難度の高い治療にも数多く成功。同科で開発されたセラミクス人工膝関節による、変形性膝関節症や関節リウマチなどの膝関節疾患の治療には定評がある。またさらに11年から再生医学を応用した自家関節軟骨細胞移植術の治験を日本で初めて実施、関節外科の先端医療をリードしている。

診療内容

毎日自由に歩いて暮らすこと、そしていろいろなスポーツや健康増進活動を日々楽しむことは、人間のQuality of Life(QOL=生きることの質)を高めるための必要条件のひとつである。「そういった見地から見て、膝関節は人体の中でも重要な関節です。膝関節にケガや病気が起こると、スポーツや旅行など楽しい活動がほとんどできなくなることからもそれは容易にわかります。一方そのような活動は膝に大きな負担を与えます。膝は年齢を問わず、もっとも大きな負担を強いられている関節のひとつなのです。膝のケガや病気がとても多いのはそのためです」と安田医師は話す。そして「当院のスポーツ医学診療科は、これらの活動ができなくなった方の診療を通してQOLを支援するのがその役割です」と言う。
変形性膝関節症は日本人の中高年齢者の5人に一人が罹病しているといわれている。「痛みの主な原因は膝を使い続けるうちに軟骨が変形したり、すり減ることによるものです。加齢により発生することが多く、誰でも罹患する可能性があります。早期であれば、外用や内服の鎮痛剤、ヒアルロン酸の関節内への注入など、保存療法がとられます。ヒアルロン酸注射は近年主流となっている治療法で、軟骨のすり減りを抑えることが可能です。また運動療法の場合も自己流ではなく、医師や理学療法士の指導の下で行うことが大切です」と安田医師はアドバイスする。こういった治療を施しても症状が改善されない場合〈人工関節置換術〉という手術も選択に入ってくる。「歩行が困難になってからの手術ではリハビリに大変時間がかかります。術後の日常生活を不自由なく過ごすためには、健全な筋力が残っているうちが望ましいでしょう」。人工関節は同科で開発されたセラミクス製であれば、金属製に比べ摩耗分が少なく、骨との間の緩みが生じにくい。また金属アレルギーの患者にも使用できる。手術時間は2時間ほどである。同科は膝治療において国際的に評価が高く、とくに膝靱帯損傷の治療においては世界各国で指導する立場にあり、国内のみならず世界から多くの医師がその技術を学びに同院を訪れている。さらに「20年前から関節鏡を応用した低侵襲手術(関節鏡視下手術)を確立し、新しい手術法を開発して世界に発信しています」と言う。
膝の痛みはさまざまな活動を困難にし、QOLを著しく低下させる。「誰もが自分らしい有意義な人生を送るためにも膝の不調に気づいたら、手遅れにならないうちに専門医の診断を受けることをお勧めします」と安田医師は言う。

医師プロフィール

1976年3月 北海道大学医学部 卒業
1985年6月 医学博士(北海道大学)
1990年4月 米国Vermont大学整形外科にてスポーツ医学を研究(文部省在外研究員)
1997年11月 北海道大学医学部生体医工学講座教授
1999 年4月 北海道大学医学部付属病院スポーツ医学診療科科長
2000年4月 北海道大学大学院医学研究科運動機能再建医学分野教授
2009年4月 北海道大学大学院医学研究科長兼北海道大学医学部長
2011年4月 北海道大学役員補佐 北海道大学探索医療教育研究センター長
2013年4月 北海道大学理事・副学長