連載・コラム一覧
医学生のフィールド
Female Athlete Conference 2022 ~女子選手のヘルスケアを考える~
宮嶋泰子、女性アスリートを大いに語る
新専門医制度について考える
患者の医師選びはどう変わる ~新しい専門医制度によるメリットを探る~
現在の日本の医療制度では、医師免許を取得し2年間の臨床研修を受ければ、専門や経験がなくても開業し法令上に認められた全ての診療科を自由に標榜することができる「自由標榜制」が採られている。例えば、専門分野を学んでいない医師が内科で開業し、ある日突然、外科や眼科の診療を行うことも可能なのである。このような制度が認められているのは先進国では日本だけだ。専門医を認定するための社会的な制度も無かった。
現代医学は日進月歩で発展を続け、誰でもインターネットで最新の医療情報を入手できるようになった。より質の高い医療を受けたいというニーズも高まってきている。自分の体を安心して任せられる専門医に出会うためには、医療のエキスパートとは何かを知っておくことも大切だ。専門医制度の成立の経緯に触れながら整理してみた。
「たかが卓球、されど卓球」、メダルへの方程式
更なる飛躍へエリートアカデミー開校
問題意識のない現場~医師の立場から
二つの銀メダル
地域医療連携の今
地域医療連携の今
新型コロナウイルス感染症により、日本の医療現場が抱えるさまざまな課題が浮き彫りになった。その一つが、地域の医療機関が役割分担しながら適切な診療を患者に提供するための地域医療連携だ。コロナの重症化リスクがあるとされた糖尿病や高血圧などの生活習慣病は、自覚症状が表れにくいことから放置されることも多く、病態が進行して合併症を起こしたり、ある日突然、脳卒中や心筋梗塞などを発症したりすることも少なくない。かかりつけ医と病院などが連携して早期発見・早期治療を進めることにより、膨らみ続ける医療費の削減につながることも期待されている。
コロナ下で生活習慣病への関心が高まる中、全国屈指の高い水準となる高齢者医療費の削減に向けて地域医療連携に取り組む福岡県から、糖尿病や脳卒中、がんなどにおける医療連携の現状を紹介する。
金メダリストの自己管理術
乳がんを書く
連載趣旨と略歴
◇体験して初めて分かる、治療のつらさ
乳がんに関する情報はあふれている。しかも、私はその道の第一人者への取材活動を通じて、基本的な知識は持っているつもりだった。そんな恵まれた情報環境にありながら、いざ自分が乳がんになったとき、「こんなはずじゃなかった」という場面に何度となく直面した。特に生命が救われることに焦点が集まる一方で、あまり触れられてこなかった術後の痛みや、治療に伴う副作用は、経験してみなければ全く分からなかった。医療の進歩により、多くのがんが不治の病ではなくなり、なかでも乳がんは予後の良いがんと言われる。早期発見なら怖くない、しかし、そんなに簡単なものではなかった。
【中山 あゆみ】
ジャーナリスト。明治大学卒業後、医療関係の新聞社で、医療行政、地域医療等の取材に携わったのち、フリーに。新聞、雑誌、Webに医学、医療、健康問題に関する解説記事やルポルタージュ、人物インタビューなど幅広い内容の記事を執筆している。
時事メディカルに連載した「一流に学ぶ」シリーズのうち、『難手術に挑む「匠の手」―上山博康氏(第4回・5回)』が、平成30年度獨協大学医学部入学試験の小論文試験問題に採用される。著書に『病院で死なないという選択』(集英社新書)などがある。
医学ジャーナリスト協会会員。
抗がん剤による脱毛を防ぐ「頭皮冷却療法」
連載趣旨と略歴
抗がん剤治療による脱毛を防ぐ方法があることをご存じだろうか?2019年3月に厚生労働省が薬事承認した後、2021年版の「がん治療におけるアピアランスケアガイドライン」でも推奨され、科学的根拠のある治療法として注目されている。
患者のほとんどが女性であることなどから、乳腺外科が先鞭(せんべん)をつけた。現在、保険外診療として全国約50カ所で導入されているが、今後は診療科を超えて普及していくことが期待される。
まだ始まったばかりの新しい治療だけに、ひと筋縄ではいかない問題もたくさんある。しかし、さらに技術が向上していけば、抗がん剤治療を受けても脱毛しないという選択肢が当たり前のように提示される時代が必ず来る。試行錯誤を重ねて、ようやく軌道に乗ってきたという虎の門病院化学療法室で、現場の声を聞いた。
【中山 あゆみ】
ジャーナリスト。明治大学卒業後、医療関係の新聞社で、医療行政、地域医療等の取材に携わったのち、フリーに。新聞、雑誌、Webに医学、医療、健康問題に関する解説記事やルポルタージュ、人物インタビューなど幅広い内容の記事を執筆している。
時事メディカルに連載した「一流に学ぶ」シリーズのうち、『難手術に挑む「匠の手」―上山博康氏(第4回・5回)』が、平成30年度獨協大学医学部入学試験の小論文試験問題に採用される。著書に『病院で死なないという選択』(集英社新書)などがある。医学ジャーナリスト協会会員。
アレルギー性鼻炎の治療最前線
あなたはもっと元気になれる
筆者プロフィル

慶應義塾大学医学部卒業、医師として東京慈恵会医科大学病院リハビリテーション科勤務を経て、クリニックでの診療と産業医業務を行う。勤務医時代に、エッセーや論文のコンテストでの受賞などをきっかけに執筆活動も開始し、健康に関するテーマで著書や監修書は多数。日本医師会認定産業医、日本医師会認定健康スポーツ医、日本人間ドック学会人間ドック健診専門医、日本リハビリテーション医学会専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本体力医学会健康科学アドバイザー。
人間の心身は不思議なもの。生活のちょっとした変化や工夫で元気になったり、美しくなったり、病気になったり、治ったりします。同じ人生なら、日々を気持ちよく過ごしたいと願うでしょう。私が医学界で学んだこと、経験したこと、診察室で感じたこと、街中で気づいたこと、皆さまに役立ちそうな、あれこれをお伝えできれば幸いです。
競泳選手としてジュニア時代は全国大会で優勝経験あり。大学時代に出した東日本医科学生選手権大会の大会記録は18年間破られませんでした。数年前からまた水泳を再開しマスターズ大会に出場しています。水泳で教わった心身の調子を上げるコツ、勝負で勝つコツなども、ときには書いていきたいと思います。
Life on Wheels ~車椅子から見た世界~
連載趣旨と略歴
▼連載趣旨
ある日突然歩けなくなった私の人生と、新型コロナウイルスによって生活が一変した現在の社会情勢には、どこか似たものを感じます。私自身が障害者となり、世界が変わり、それを受け入れるまでをお話しすることで、困難を乗り越えるヒントがあるかもしれません。
車椅子に乗っていると、できないことがたくさんあります。しかし、勇気を出して人の手を借りたり、別の方法を考えたりしてみれば、可能性はいくらでも広がります。車椅子でも行ける場所、できるアクティビティー、スポーツなどの情報や、7年間留学していた米国のバリアフリー事情、障害者ゆえのリアルな悩みなどを赤裸々につづることで、障害者や車椅子を身近な存在に感じてもらえたら。そして、心のバリアフリーが日本の社会に浸透して、どんな人も生きやすい社会をつくるきっかけになればうれしいです。
▼略歴
中嶋涼子(なかじま・りょうこ)
1986年生まれ。東京都大田区出身。9歳の時に突然歩けなくなり、原因不明のまま車椅子生活に。人生に希望を見いだせず、引きこもりになっていた時に、映画「タイタニック」に出合い、心を動かされる。以来、映画を通して世界中の文化や価値観に触れる中で、自分も映画を作って人々の心を動かせるようになりたいと夢を抱く。
2005年に高校卒業後、米カリフォルニア州ロサンゼルスへ。語学学校、エルカミーノカレッジ(短大)を経て、08年、南カリフォルニア大学映画学部へ入学。11年に卒業し、翌年帰国。通訳・翻訳を経て、16年からFOXネットワークスにて映像エディターとして働く。17年12月に退社して車椅子インフルエンサーに転身。テレビ出演、YouTube制作、講演活動などを行い、「障害者の常識をぶち壊す」ことで、日本の社会や日本人の心をバリアフリーにしていけるよう発信し続けている。
中嶋涼子公式ウェブサイト
https://ryoko-nakajima.com
公式YouTubeチャンネル「中嶋涼子の車椅子ですがなにか!? Any Problems?」
https://youtube.com/channel/UCeSsxoqjXX_R4kvAD1PI1iw
希少疾患治療の最前線
希少疾患
世の中には、原因不明で治療方法がない難病や希少疾病(日本では患者数5万人未満)と呼ばれる病気があり、現在、国内で難病医療費等助成の対象となる指定難病数は333に上る。その中には「パーキンソン病」や「潰瘍性大腸炎」など、有名人が患ったことなどから、一般に広く知られている病名もあるが、私たちがこれまで一度も聞いたことがないような病名も数多い。また患者数が少ないことから全体像が明らかな疾患はごくわずかであり、そのため疾患を十分にコントロールできている患者は非常に少なく、未解決の課題も山積している状況でもある。そこで、「希少疾患」に対する最新の治療方法から課題について紹介する。
正しく恐れる
連載趣旨
新型コロナウイルスに関しては、メディアで大きく報道されているが、その中には誤った情報も少なくない。特に、治療方法やワクチンに関しては読者の関心も非常に高いが、メディアの中には私のような専門家からすると、首をかしげざるを得ない情報があふれている。新型コロナウイルスは、これから各種のワクチンが認可され、接種が進んでくる中で、今までのような医療体制の逼迫(ひっぱく)などは起こりにくくなる。しかし、治療薬の開発はまだ時間がかかる状況の中で、新型コロナウイルスをやみくもに怖がるのではなく、正しく恐れることが重要である。今回の連載では、新型コロナウイルスに関する読者の皆さんの知りたい情報をできる限りスピーディーに届けていければと思っています。
【プロフィル】
森下 竜一(もりした・りゅういち)
1987年大阪大学医学部卒業。米国スタンフォード大学循環器科研究員・客員講師、大阪大学助教授を経て、2003年から大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄付講座教授(現職)。内閣官房 健康・医療戦略室戦略参与、日本抗加齢協会副理事長、2025年日本国際博覧会大阪パビリオン推進委員会総合プロデューサーなどを務める。著書に『機能性食品と逆メソッドヨガで免疫力UP!』、新著に『新型コロナワクチンを打つ前に読む本』など。自身で創業した製薬ベンチャーのアンジェス(大阪府茨木市)で、新型コロナウイルスの国産DNAワクチンを開発中。
糖尿病の「A to Z」
増加の一途をたどる患者
糖尿病患者の増加に歯止めがかからない。統計では1997年から増加の一途をたどっている。糖尿病に対する対策は食事・運動・薬物があるが、最近ではさまざまな方法の有効性が報告されている。糖尿病治療の専門家である坂本昌也さんに、病気の実態や最新の治療などについて詳しく解説してもらう。
坂本 昌也(さかもと・まさや)
医師 医学博士
国際医療福祉大学 糖尿病・代謝・内分泌内科教授。1997年、東京慈恵会医科大学を卒業。専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では予防医学の観点から糖尿病患者の研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。「最強の医師団が教える長生きできる方法」、血糖値バイブルなど著書多数。糖尿病治療の啓蒙活動にも力を入れている。
障害を持っても華やかに
連載趣旨と略歴
▼連載趣旨
普段身近に感じないことが多い「聴覚障害者」について、皆さんどのくらい知っていますか?特にわが家の場合、長女が難病ということもあって通院、入院で大変だったことや、コロナ禍でコミュニケーションを取ることが一気に難しくなったことなど、体験談を交えてお話ししていく予定です。こういう人もいるんだなあと知っていただけるだけで、特に大きな配慮がなくても、気に留めていただけるだけで私たちが生きやすくなることを知ってほしいなと思っています。
▼略歴
牧野友香子(まきのゆかこ) 株式会社デフサポ 代表取締役
生まれつき重度の聴覚障害があり、読唇術で相手の言うことを理解する。
幼少期にすごく良いことばの先生に出会えたことでことばを獲得し、幼稚園から中学まで一般校に通い、聴者とともに育つ。
大阪府立天王寺高等学校から神戸大学に進学し、一般採用でソニー株式会社に入社。
人事で7年間勤務。主に労務を担当し、並行してダイバーシティの新卒採用にも携わる。
第1子が50万人に1人の難病かつ障害児だったことをきっかけに、療育や将来の選択肢の少なさを改めて実感し2017年にデフサポを立ち上げ、2018年3月にソニーを退職し、聴覚障害児の支援に専念。デフサポでは聴覚障害児の親への情報提供、ことばの教育、就労支援を中心に実施。
2020年より多くの人に難聴に興味を持ってもらいたい!とYouTubeでデフサポちゃんねるをスタートする。
デフサポちゃんねる:https://www.youtube.com/channel/UChitc-o2VfWz5cgT-rMRIjQ
デフサポHP:https://nannchou.net/
女性アスリートのためのオンラインセミナー
2021年度も健康支援委員会と東大が開催、14テーマの講義を企画
2020年度に続き2021年度も一般社団法人女性アスリート健康支援委員会と東大病院女性診療科・産科は女性アスリートが抱える健康問題を中心に、専門家の講義を視聴できる「女性アスリートのためのオンラインセミナー」を開催する。女性の体や健康について学ぶ「Basic編」、女性アスリート特有の健康問題に特化した「Advance編」に分け、各編7テーマずつ、計14テーマの講義を企画。2020年度開催分20テーマのアーカイブも含め誰でも無料で受講できる。
熱中症と対策
例年以上に注意が必要
今年も熱中症の季節がやってきた。2020年から続く新型コロナウイルスの感染拡大により、外出自粛やマスクの着用など、例年とは異なる生活を強いられている中、その対策も変わってきそうだ。脱水症や熱中症の専門家である谷口英喜さんに、詳しく解説してもらう。
谷口英喜(たにぐち・ひでき)
麻酔科医師 医学博士
済生会横浜市東部病院 患者支援センター長兼栄養部部長。1991年、福島県立医科大学医学部を卒業。専門は麻酔・集中治療、経口補水療法、体液管理、臨床栄養、周術期体液・栄養管理など。麻酔科認定指導医、日本集中治療医学会専門医、日本救急医学会専門医、東京医療保健大学大学院客員教授、「かくれ脱水」委員会副委員長を併任。脱水症・熱中症・周術期管理の専門家として、テレビ、ラジオに多数出演。年に1冊のペースで、水電解質、経口補療法に関する著書を出版。2021年は6月に「はじめてとりくむ水電解質管理 上下2巻」を発売予定。
ウェブサイト(https://www.tobu.saiseikai.or.jp/surgical-support/)
足の悩み、一挙解決
全国から患者が殺到するクリニック

「足のクリニック表参道」 院長。2004年埼玉医科大学医学部卒業。同大学病院形成外科で外来医長、フットケアの担当医として勤務。13年東京・表参道に日本では数少ない足専門クリニックを開業。専門医、専門メディカルスタッフによるチームで、足の総合的な治療とケアを行う。
日本下肢救済・足病学会評議員。著書に「元気足の作り方 ― 美と健康のためのセルフケア」(NHK出版)、「外反母趾もラクになる!『足アーチ』のつくり方」(セブン&アイ出版)など。
認知症の人への視線を考える
連載趣旨と略歴
▼連載趣旨
認知症が痴呆と呼ばれていた時代から30年以上にわたり、認知症の本人、家族、支援者の取材を続けてきた。そこで、目撃し確信したのは、認知症の人は周囲が思っている以上に力を持っているということだ。しかし、認知症に対する無知や誤解が本人の力を黙殺し、結果として認知症の人が、より良く生きる可能性を押しつぶしている。無知や誤解は「偏見」につながる。本連載では、さまざまな角度から認知症に対する偏見を取り上げ、認知症の人が生きやすくなるための視線を考えていく。
▼略歴
佐賀由彦(さが・よしひこ) ジャーナリスト
1954年大分県別府市生まれ早稲田大学社会科学部卒業。映像クリエーター。主に、医療・介護専門誌や単行本の編集・執筆、研修用映像の脚本・演出・プロデュースを行ってきた。全国の医療・介護の現場(施設・在宅)を回り、インタビューを重ねながら、当事者たちの喜びや苦悩を含めた医療や介護の生々しい現状とあるべき姿を文章や映像で綴り続けている。